私に足りないものを教えてくれた小説。
信念。
ネットで検索すると、
正しいと堅く信じ込んでいること。
私には、信念がなかった。勉強にしろ、遊びにしろ、人間関係にしろ、足りなかったのだ。
信念のある行動とは、なんだろうか。
例えば日記。
たかが日記である。誰でも書ける。いつでも書ける。気軽に書ける。一言でもいいのだ。
だが、
毎日毎日、欠かさずに続けることができるだろうか。自転車でこけて右腕を折っても左手で書き、高熱に倒れていても這いつくばってでも書き、塹壕の中で寒さと恐怖に震えながらペンラントの灯だけを頼りに書く。
できるだろうか、誰にでもできるだろうか。
無理である。強い意志を持って、絶対にやるんだという根性がなければ、無理なのだ。
強い意志と不屈の精神で日記を書き続けた男はやがて文豪と呼ばれ、一流の男となる。
たかが日記で、ここまでなる男もいるのだ。
一流の男と二流の男を分けるものは、信念である。
ベストセラー作家の里中李生氏も信念の有無で分かれると書かれている。
それが私になかったものだ。
勉強をしても、ちょっと上手くいったくらいで有頂天になり投げ出した。
スポーツも、鼻をへし折られた時に、絶望して辞めた。
仕事も、ちょっと嫌なことが続くと逃げた。
ランサーズで稼いで生き抜くと決めて取りかかっても、1カ月に1万円も稼げずに、生活ができず折れた。
何をやっても何をやっても、中途半端だった。それが私だった。
変わりたいと思っている。
変わるために、信念を持って生きなければいけないと反省させられる小説だった。
浅田次郎氏のプリズンホテル。良い小説です。